見方を変えるということ

階下の住人に対して、正直腹を立てていた。

どうも男性らしいのだが、
ヘビースモーカーであり、夜型であり、
私があまり好まないタイプの音楽を聴いていらっしゃるようだ。
時に何人か友人を連れてきて「おーっ」と雄たけびが上がったりする。

私はというと、
結婚して現在の地に移り住んでからは、
5時には起床するようにしている。
一度、「居なったかねや（居らっしゃいましたか、の意＠上越市中山間地域）」と、
5時半に来客があったことがあり、
以来、常時5時起床を目指しており、
当然現在もそれを実行している。

階下住人は、
大抵23時から24時くらいに帰宅し、
時には何人か仲間と談笑した後、
3時から4時になると静かになる。
正直まいってしまった。
どうしよう。

怒鳴りこんでみるか。
いえいえそれはなりませぬ。もし仕返しとかされたら怖い。
担当教授に相談するか。
いえいえそれはなりませぬ。こんないい年してみっともない。
学生支援センターってのがあるじゃないか。
相談随時受け付けています、か。いいねぇ。
しかし、最初に打ち込むべき事項が、意味が通じない。だめだ。

悶々とするうち、先週我が養護教諭特別別科だけの交流会が持たれた。
私のアパートの隣の、ワンランク高級な棟に別科の友人がいらっしゃることがわかった。
「開始まで時間があるし、私はカバン置いてくるよ」という私に同調され、
数分の道程を一緒に帰ることになった。

私のアパートについて話しているうちに、例の住人のことも話してみた。
彼女は私より随分若いながら、
私の話を全部ふむふむと聴いた後
「それはお困りでしょう」と言葉を返してくださった。
素晴らしい。カウンセリングの原則手順どおりだ。
しかも私はこの時点でかなり癒されている。
そこで会の開始15分前に待ち合わせることを決め、各々の住まいへと分かれていった。

何かどうでもよくなった。
階下住人の立場に立てば
生活サイクルの適不適はともかく、
「俺がせっかく寝ついたころに、上の住人がごそごそ活動すんだよ。5時だぜ。」とでも
友人に話していることであろう。

時が満ち、彼女と会場まで歩く道々、
「バイトだとちょうど終わったころの時間帯ですね。」
と、彼女は階下住人について弁護した。
そうか。まったく考えていなかった。
なんでこんな夜中に雄たけび上げるかなぁと
怒ってはいたけど、仕事で嫌な出来事にも遭遇するであろうし、
叫びたくなるときは、私にだってある。

その夜はさっさと寝ることにした。
要は寝られるときに寝ちゃえばいいんだと考えを変えた。
階下住人は、この日は日付が変わってからのご帰宅となり、
いつものようにお仲間と、7時半まで活動なさっていた。

7時半にパタリと静かになった。
眠ったんだ。
そう思ったら、可愛いとさえ思えてきた。
うるさくしてごめんね。ゆっくり休むんだよ。
なるべく静かに活動を済ませた私は、
いつものようにキャンパスへと向かった。

コメント 1

ryangさん、nice!をいただきありがとうございます。

by にしにし (2011-04-24 14:23)